養護(特別支援)学校,卒業後の進路

【2018年4月発表(厚労省)】
「障がい児者延べ数:936万6千人」
「養護(特別支援)学校」卒業当初は、就労可能となった児童生徒の就労率は比較的高く試算されていますが、24歳以降を境(さかい)に急降下していき、40代では精神障がいで3割、知的及び身体では5割の定着率となる結果との事です。
※「障がい者(成人した障がい児)を扶養する家庭」が出費する「生活の必要額」は、最低でも月5万円の日常的確保が必要との事。
↓H28, 養護(特別支援)学校「長期欠席児童」の統計↓
| 小学部:3,543人(内:病気2,611人) | 中学部:2,487人(内:病気1,719人) |
↓H29, 養護(特別支援)学校「高等部卒業生」の「進路」↓
| 進 学 | 就 職 | 施設(入所・通所) | その他 |
| 777人(3.6%) | 6,411人(30.1%) | 13,253人(62.2%) | 851人(4.0%) |
↓(S55-H15.) ※養護(特別支援学校)高等部卒業時の「就職率」の推移↓
| S55 | S60 | H2 | H7 | H13 | H14 | H15 |
| 42.7% | 33.0% | 35.7% | 29.2% | 22.0% | 20.5% | 19.4% |
↓(H22-H29.) ※就労定着率は3割~5割程↓
| H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 |
| 23.6% | 24.3% | 25.0% | 27.7% | 28.4% | 28.8% | 29.4% | 30.1% |
※現行の福祉制度から20年経過した時点に於いて就職率は30.1%であり、1年以内での離職率は更に半分以下との事。
↓H29.特別支援学校高等部(障がい区分別)就職・進学に至らなかった児童の統計↓
| 視覚障害 | 聴覚障害 | 知的障害 | 肢体不自由 | 病弱/虚弱 |
| 143人(52%) | 74人(16%) | 11,950人(65%) | 1,663人(90%) | 274人(71%) |
☆聴覚障がい児以外では、全てに於いて半数以上の児童が、施設入所や通所として不完全な状態で社会に出ており、肢体不自由児に関しては9割との発表。
↓生徒1人当たりの教育補助費(H27.公立)↓
| 小 学 校 | ¥ 9 4 7 , 2 6 9 |
| 中 学 校 | ¥ 1 , 0 8 6 , 1 2 6 |
| 養護(特別支援)学校 | ¥ 7 , 2 6 8 , 0 9 5 |
【養護(特別支援)学校卒業者の平均月収は?】
養護(特別支援)学校卒業者の平均月収は、就職先や障害の程度によって大きく異なります。
①一般企業(障害者雇用枠)に就職した場合
●最低賃金~20万円程度(フルタイム勤務の場合)
障害者雇用枠でスタートする事が多く、企業によっては昇給や正社員登用の可能性もあるが、競争倍率が高く、業界や地域によって格差はあるものの、おおよそ2倍~10倍程度とされています。
特に人気の大企業や公務員の障害者枠は競争率が高く、10倍以上になる事も珍しくありません。
②就労継続支援(A型・B型)の場合
●A型事業所:月収7万~15万円程度(最低賃金を保証)
●B型事業所:月収1万~3万円程度(工賃として支払われる)
③自営業・フリーランスの場合
●5万~15万円程度が多い。
成功すれば高収入も可能だが、在宅ワーク(デザイン・ライティング・ハンドメイド等)が主流となっている。
【採用の倍率は・・・?】
●官公庁・公務員:10倍以上(東京都職員の障害者枠は15倍超えの年も)
●大企業(有名企業・ホワイト企業):5~10倍(事務職や軽作業が多い)
●中小企業:2~5倍(業界によるが、大企業よりはやや低め)
●福祉・介護・清掃など:2~3倍(比較的採用されやすい)
【競争率が高い理由は・・・?】
①求人数が少ない:企業は法定雇用率(2.7% ※2024年4月~)を満たせば良い為、大量募集をする事が無い。
②人気の企業や職種に応募が集中:事務職などは応募者が殺到しやすい。
③障害の程度やスキル値によるハードル:軽度の人や固有スキルを持つ人が優先されやすい。
【まとめ】
養護(特別支援)学校卒業生の平均月収は、5万~20万円の範囲が多く、一般企業に就職できるか、福祉的就労を選ぶかで大きく差が出ます。
特にB型事業所では、月収が極端に低くなるため、生活保護や障害年金と組み合わせて、生計を立てる人も多いようです。
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