
「主体性」とは
教育や福祉の現場でいう「主体性」とは、「自分の意思で考え、選び、行動し、学び育みを深めていく姿勢」のことです。
つまり、“やらされる学び” ではなく、“自分でやると決めた学び” のこと。
これがあると、子どもたちは 生き生きと学び育み、達成感・幸福感を感じやすくなります。
主体性がもたらすポジティブな効果
✅ 1. 自己肯定感が育つ
自分の選択に自信を持ち、結果を出す経験を重ねることで、「できた!」「わたしにも価値があるんだ」と思えるようになります。
✅ 2. 学習意欲が自然に湧く
「なぜ学ぶのか?」を納得できていない子どもでも、外からの強制よりもずっと深く、長く学び続ける力を持ちます。
✅ 3. 他者と協働する力が育つ
自分の意見を持ちながら、他人とも意見を交換する事ができるように。主体的であるからこそ、「対話する力」も自然と育ちます。
✅ 4. レジリエンス(心の回復力)が高まる
「うまくいかない経験」さえも、学びに変えられるように。失敗も「自分で選んだ道だから頑張れる」と捉えるようになります。
主体性の効果に関するデータ・研究
▶ 文部科学省「主体的・対話的で深い学び」の調査より
●主体的に学んでいる児童生徒の学力テスト平均点は、そうでない子より 10~15%高い傾向。
●また、そうした子どもは「学校が楽しい」「学ぶのが好き」という、ポジティブな回答をする割合が2倍以上になることも報告。
▶ OECD PISA(国際学習到達度調査)
●主体性(self-efficacy)を持つ子どもは、自己管理能力・目標達成能力が高く、将来の職業的成功率も高い。
●主体性のスコアが高い生徒は、問題解決や創造的思考の場面で、平均より30~40%高いパフォーマンスを見せた。
主体性が育つ学びの場とは?
主体性は「才能」ではなく、環境と関わりの中で育てられるものです。
つまり、①子どもの意思を尊重し、②安心して挑戦でき、③対話と共感がある居場所。こそが、「学び」と「育み」を両立させる理想的な環境となります。
視点で一言
「主体性」は、子どもたちが“生きる力”を育むためのエンジン。
自分で歩き出した子は、つまずいても、また立ち上がれる。
それを見守り、励まし、共に喜べる環境が、私たちが目指す「空気感」です。

