人格形成の基礎学


基本にして重要な人格形成三段階モデル

「積み重ね」で変わる子どもたち

①栄養・衛生・愛情(小・中学生)

②信頼・統制・注目(中・高校生)

③役割・能力・承認(高・大学生)


【第1段階】生命の土台:「存在の安心」を保障する

栄養・衛生・愛情

●安定した食生活と生活リズム

●清潔な環境と身なり(身辺自立含む)

●皮膚接触・抱っこ・声かけなどの非言語的な愛情表現

●「ここにいていい」という存在の肯定感を育む

→ 人は「安心」なくして学べない。

まずは “生命の安心” から。


【第2段階】心の安全基地:「関係の信頼」をつくる

信頼・統制・注目

●予測可能で一貫した対応(ル-ル・境界の明確化)

●「見ているよ」「気にかけているよ」という注目の力

●自己選択・自己決定を育む適切な自由と制限のバランス

●安心して感情を表現できる関係性の構築

→ 心の回復と行動の安定は、「安心できる他者」の存在から始まる。


【第3段階】社会との接続:「役割と力」を手渡す

役割・能力・承認

●家庭・学校・地域の中で小さな役割を持つ経験

●「できた!」の積み重ねによる有能感の醸成

●他者の承認・感謝を通じた自己効力感の回復

●将来を描く「意味づけ」や「物語の形成」

→役割と能力は、人を“存在者”から“参加者”へと変える。


これは時代遅れではなく「原点回帰」

昨今は特別なテクノロジーや画期的な治療法がもてはやされがちではありますが、子どもたちが本当に求めているのは「人との関係の中での成長」です。

それは、AIやICTテクノロジーでもロボットでも代替できない、確かな人間同士の適切な関係性の中でしか育まれない力です。

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