✅境界知能と非行の関係
境界知能（IQ70〜85）とは
●「知的障害」と診断されるほどではないが、知的能力が平均よりやや低い層。
●人口の約14％存在(増加傾向)するとされ、見た目ではわかりにくい。
●学校や社会では「普通」であることを期待されやすく、支援からこぼれやすい。
非行との関係：なぜ境界知能の子が非行に傾きやすいのか
1. 認知機能の弱さ → 状況判断・自己抑制が困難
●状況を複雑に考える力が弱いため、「その場のノリ」「誘い」に流されやすい。
●衝動性が高く、「後先を考える力」が育ちにくい。
●相手の意図や表情の裏を読む事が苦手（＝騙されやすい）。
2. 学習困難 → 劣等感・自己否定
●簡単な勉強でもついていけず、達成感を得にくい。
●「自分はできない人間だ」と感じやすく、自己肯定感が低下。
●その反動で「注目されたい」「認められたい」という承認欲求が歪む。
3. 居場所のなさ → 同調・逸脱行動で繋がりを求める
●学校や家庭での疎外感 → 「非行グループ」や「夜の世界」へ。
●ルールが緩く、“受け入れてくれるように見える”集団に安堵。
●結果的に「支配されたり利用される関係」に陥ることも多い。
4. 「善悪の判断」はあるが「なぜ悪いか」が理解できない
●道徳的な判断基準が薄く、「怒られるからやらない」程度の認識。
●長期的な因果関係や社会的影響を考える力が乏しい。
注意すべきこと
●非行は「悪さ」ではなく、「居場所を求める行動(罪を憎んで人を憎まず)」の一形態である。
●根底にあるのは 「社会的スキル不足」と「孤独」。
●支援すべきは「処罰」よりも、「適切な関係性と選択肢、秩序・役割・能力を与える」こと。