
Lab.は、単なる調査研究プロダクトではありません。
それは、発達障害や境界知能などの特性を持つ児童生徒の素晴らしさを見つめ、伝え、共に生きる未来を問い直す入口でもあります。
この国のあちこちでは、発達障害や境界知能を持つ児童生徒たちは、「わかりにくい存在」として、しばしば見過ごされてきた歴史があります。
しかし彼らの存在は、社会が抱える構造的な盲点を照らし出す、光のような存在でもあります。
私たちは、自然環境の中に確かに存在する子どもたちのリアルな声や姿に耳を傾け、そこに生きる人々・社会・環境とどう共存できるかを、丁寧に見つめなおす営みを大切にしていきます。
このラボで問い続ける事例
■脳の可塑性と神経発達の関係
■効果的な学修とキャリア形成
■自然体験と感情体験の効果
■フルビジョントレーニングのエビデンス
■児童生徒の心技体とした、能力を補完・強化するデバイスやインターフェースの開拓など
神経可塑性
脳は「固定化された器官」では無く、「適切な経験や環境によって発達・再構築される器官」です。
これは「神経可塑性」と呼ばれ、特に児童生徒期の脳では、その力が顕著に発揮されます。
「今はまだできない」は、「これから確実にできるようになる」の出発点です。
繰り返しの最適な神経刺激(課題)は、脳の構造そのものを再構築する事が出来ます。
「特性や困り感」があっても、適切な神経刺激課題が「脳の変化」を促し、可能性を確かに拓く事が可能となります。
神経可塑性タイプ
■構造的可塑性
シナプスやニューロンの形態的変化(新しい結合の形成・刈り込み)
■機能的可塑性
脳領域の機能的役割の変化(ダメージ補償・機能再配置)
■経験依存性可塑性
個々の経験によって生じるユニーク脳の変化(学習など)
■経験期待性可塑性
発達の過程で「予測された刺激」に基づく脳の発達(言語など)
Lab.の信念
■目の前の子どもたちこそが、地域社会の未来を担う可能性である事
■「何が最善か」を本気で考え続ける誠実さ
■答えを出した者としての「責任」を引き受ける覚悟と挑戦
■1人ひとりの物語から、社会のカタチを再構築していく事
このラボは、「その子のままで輝ける社会」を醸成する為の、共創の出発点でもあります。
そして何よりもまず、児童生徒の素晴らしさを「伝える」ことから始めたい。
それが、GuardianがLab.を形成する理由であり、約束です。
調査研究のあり方
1.ミッション
「人間とテクノロジーの共進により、発達・境界知能特性のある児童生徒の可能性を最大化する」
■障害を「排除」するのではなく、特性を社会と繋ぐ「架け橋」として活かす
■「改善」の定義を、「児童生徒が幸わせに人生を生きていく為の機能の拡張」と再定義
■障害特性を「未来の適応力の源」として捉える
2.機能の構造とユニット分化
| ユニット | 主な機能・目的 |
|---|---|
| Neuro-Techユニット | 脳波/神経応答の計測・ニューロモジュレーション(tDCS等)・BCI研究 |
| Augmented Abilityユニット | 感覚補助・言語補助・AR/VRなどによる「拡張インターフェース」の開拓 |
| Psycho-Educationalユニット | 認知特性に合わせた支援ツール/学習支援AIの開拓と臨床応用 |
| Ethics & Philosophyユニット | 優生思想の回避、支援と人間性の共存、子ども中心の支援設計倫理 |
| Child Partnershipユニット | 当事者とその家族による共同研究・プロトタイピング・評価 |
| 社会連携ユニット | 放デイ・保育園・学校・保護者会・企業・団体との連携・実証支援体制構築 |
3.運営モデル
✅児童生徒は共創者としてトレーニング(Full Vision Trainingやデバイス)を活用
→ 児童生徒からのフィードバックを反映
✅トレーニング現場とのリアルタイム接続
→ 技術が現場へ、現場の声が即調査研究へ
✅成果は「ドキュメンテーション」で評価
→ 改善されたスキル値、自己表現、関係構築、情緒安定、日常生活の質の変化など
4.必須の倫理基準と原則(E.A.S.E.)
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| E:Empowerment(本人の力を引き出す) | 技術は支配でなく、選択肢と自己効力感を与えるものとする |
| A:Accessibility(すべての子どもに開かれる) | 高度技術も福祉的配慮のもと、誰でも使える形に設計 |
| S:Safety(身体・精神・社会的安全) | 実験・応用いずれもリスク検証と心理的配慮を厳守 |
| E:Ethical Involvement(倫理的共創) | 子ども・家族・支援者が意思決定に参加する調査研究文化 |
5.テーマの一例
| デバイステーマ | 内容 |
|---|---|
| ✅ BCIによる感情表出支援 | 言葉にできない感情を脳波から可視化し、感情ラベリングを支援 |
| ✅ 自己認識を促すインタフェース | 自分の気持ちや反応を可視化するAIミラー・ARアバター研究 |
| ✅ 神経可塑性に基づく学習支援 | 認知バイアスに合わせた個別学習トレーニングの最適化 |
| ✅ ウェアラブル環境制御デバイス | 感覚過敏・不安定状態を事前検知し、環境を自動調整する仕組み |
| ✅ 自己物語を育むAI日記支援 | 自分史の記録と自己表現を支えるストーリー生成AIツール開拓 |
6.段階的発展モデル
| フェーズ | 内容 |
|---|---|
| Phase 1:試験研究フェーズ | 少人数の児童生徒で個別検証を行い、フィードバックからデバイス等を改良 |
| Phase 2:現場連携フェーズ | 放デイや学校と連携し、実装可能性と現場負荷の検証 |
| Phase 3:社会共創フェーズ | 行政・企業・市民を巻き込んだ「次世代型支援社会モデル」の共創 |
7.Guardianとの融合例
この調査研究は、「Guardianの支援哲学」と極めて高い親和性があります。
■HEARTモデル → 子どもの物語性、感情共感を重視
■IDMモデル → 自己認識・設計・表現はまさに拡張テクノロジーと親和性あり
■BONDSモデル → 共創・対話・相互支援の基盤構築と一致
■HOPEモデル → テクノロジーを「夢と行動をつなぐ橋」として活用可能

