
「キャリア教育」とは、「自分らしい生き方・働き方」を考え、社会で自立して生きていく力を育む教育の事です。
教育理念に定められており、小学校から高校、更には研究機関である大学や専門学校でも取り入れられています。
しかしながら、「キャリア教育の理念」と、「現実の学校教育のあり方にはギャップ(乖離)がある」という声は、多くの現場や専門家から指摘されています。
またGuardianの哲学に基づく「キャリア教育」は、「生活と社会に直結した支援」を掲げる事から、「特化型」として「総合型」とは異なる「振り切った特異性」を有した方針をGuardianの価値観としております。
以下の解説は、
①キャリア教育にかかる出典元のご紹介。
②「出典元に基づくキャリア教育一般論」。
③「Guardian独自のキャリア教育哲学」の並びにて、ご紹介させて頂きます。
①出典元資料と方針
1.文科省のキャリア教育関連資料
●「キャリア教育の推進について(文科省指導要領関連通知)」。
●「キャリア教育の手引き(令和版)」。
●「中央教育審議会・答申(社会に開かれた教育課程)」など。
2. キャリア教育推進の枠組み
●小・中・高それぞれの「学習指導要領」に含まれる「キャリア教育の位置づけ」。
●特別活動、総合的な学習の時間、進路指導などに紐づけられる形で設計。
3. 教育系研究や報告書
●独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)報告。
●国立教育政策研究所による分析レポート。
●民間教育機関・大学(教育学部)による調査報告。
一般論で使われるキーワードや構成の根拠:
| 要素 | 出典的根拠 | 備考 |
|---|---|---|
| 自己理解 | 文科省キャリア教育推進方針 | 「自分を知る」事がキャリアの出発点とされる |
| 職業観・勤労観 | 中央教育審議会答申 | 社会人基礎力の要素としても |
| 社会性・非認知能力 | OECD「キー・コンピテンシー」等 | 世界的にも非認知スキルが重視されている |
| 将来設計・ライフデザイン | 総合的な学習の時間の活用指針 | 「キャリア・パスポート」にも反映されている |
【キャリア教育の目的】
1.自己理解:自分の興味・関心・得意な事に気づく。
2.職業観・勤労観の育成:仕事の意味や働く事の意義を学ぶ。
3.社会性・コミュニケーション力の育成:集団の中で協力する力や対話力を身につける。
4.将来の設計力:将来の目標や夢に向けて、自分で道を選んでいく力を育む。
【主な内容】
●職業調べや職場見学、インターンシップ(職場体験)など。
●学校内でのキャリアガイダンスや進路相談。
●グループワークやディスカッションを通じた「働く事」の学び。
●生活や地域との関わりの中での学び(ボランティア活動など)。
【現代における意義】
現代社会では、「一つの会社で一生働く」旧時代から、「変化に適応する力」が求められる新時代へと変わってきました。
キャリア教育は、単に「職業」を選ぶだけでなく、「人生の選択肢を広げ、自分で未来を切り拓く力を育てる教育」として重視されています。
実際とは乖離してるようにも感じるけど?
はい、その感覚はとても本質的です。
実際、「キャリア教育の理念」と、「現実の学校教育のあり方にはギャップ(乖離)がある」という声は、多くの現場や専門家からも指摘されています。
学校とキャリア教育の 「乖離」 の実質
1.「正解主義(実質)」vs「多様な生き方(目標)」
●学校教育では、今もなお「正解を出す事」や「平均点を取る事」が重視されがち。
●一方でキャリア教育は、「自分らしさ」や「多様な価値観を尊重する事」が大切。
→ 個性を活かす力を育てたいのに、「みんなと同じ」を求める矛盾が起きやすい。
2. 「内申重視・受験競争(実質)」vs「社会で生きる力(目標)」
●学校は、受験や内申の為に「勉強」させる場になりがち。
●しかし、社会に出たら必要なのは、対話力、判断力、自己決定力などの「非認知能力」。
→ キャリア教育で育てたい力が、学校の評価の対象になっていない。
3. 「管理と統制(実質)」vs「自律と選択(目標)」
●学校は、「指示通りに動く」事を前提とした管理体制。
●キャリア教育は、「自分で考えて選ぶ」力を育てたい。
→ 子どもが「自分で決めて良い経験」がほとんどないまま卒業してしまう。
【なぜギャップが生まれるのか?】
●学校の制度や評価システム(内申・偏差値)が旧来型のまま。
●教員の多忙化・余裕のなさにより、キャリア教育が「形だけ」になる。
●社会との接点(地域・職場・大人との関係)が希薄化している。など。
Guardianのキャリア教育思想(最終単元の例)
【キャリア教育の一般論】の最終単元は、「将来を考える力(設計力)」に重きを置く実践的取り組み。
【Guardianのキャリア教育】は、「自分の“生き方”を今ココで試してみる」=「実践ベースのキャリア教育」。
◆1.「リアルな役割体験」×「共に育む実践の場」
●児童生徒自身が、本物の役割(模擬的な仕事)に近い形で参加 →それがそのまま社会参加・自己肯定感の源にもなる。
◆2.「居場所そのものがOJT(On the job training)の場」
●例えば、Guardian内のプロジェクトや活動(メディア制作、地域イベント、施設運営など)を通じて、①役割を持つ経験 ②試行錯誤する経験 ③他者と協働する経験を、リアルタイムで学べる=「教育と実践のハイブリッド」。
◆3.「振り返り×自己物語化」の支援
●行動の後に、「どう感じた?」「何が嬉しかった?」「どうブラッシュアップしていく?」「次は何をしてみたい?」というリフレクションを通じて、児童生徒自身の中に「私・僕にもできた」の物語が生まれる→ 将来設計ではなく、「今の行動が人生を形作る」というリアルな実感を育む。
◆4.「職業」ではなく「役割」をベースに
●児童生徒たちには、「肩書(責任感)・役に立つ・頼られる」体験が必要。Guardianでは、「リーダー補佐」「衛生係」「安心係」など、その子が輝ける“肩書き”や“役割”を創造的に設定する事で「自分の役割(頑張り処)」を明確化し、それぞれに応じた体験価値を醸成していく。
◆5.起業家的なキャリア観の育成
●「自分で道を切り拓く」「誰かの為に行動する」事などを通じて、たとえ小さくても、自分の手で何かを始める喜びを感じ、対価や感謝という「フィードバック」の経験を。
→ 将来、「社会と関わりながら生きる力 = サバイバル力」に直結させていく。
ゆえに、学校と対(つい)を成す事で、児童生徒にとってより健全な相乗効果が得られるものです。
学校が「知識」を育み、Guardianが「生きる学力(知恵)」を耕す。この二つの場が補い合い、響き合う事で、児童生徒はより豊かな「自己理解と社会的実践」を手にし、ただの進路選択ではなく、「自分の人生を歩む覚悟と希望」を育む事ができます。

