
迷い、傷つき、それでも、誰かと繋がりたいと思う・・・。
児童生徒も大人たちも、心の奥でずっと抱き続ける、核心の感情。
真実の仲間を醸成する為の視点
「協調性」ではなく「共感性」から始まる
学校や会社で求められる「協調性」は、多くの場合「波風立てず、空気を読むこと」。
でもそれは、「本音を隠す」「無理をする」事で成立する事も多い。
だから疲れるし、時には陰口も生まれる。
➡️Guardianでは、「共感性=相手の気持ちを感じ、受け取ろうとする姿勢」を土台にする。
相手の気持ちを理解しようとする営みが、「本物の関係性」への第一歩。
「役割」ではなく、「物語」で繋がる
多くの人間関係は、学校なら「クラスメイト」、職場なら「同僚」など、役割ベースの関係にすぎない。
でも、真実の仲間とは、「あの人とだから、こんな経験ができた」「あのとき、助けてもらった」など、共有した物語の重なりで深まっていく。
➡️Guardianファミリーは、一緒に「物語を生きる仲間」。共に泣いた、笑った、悩んだ――そういう経験が絆を育てる。
「傷つかない関係」ではなく「回復できる関係」
人間関係には、傷つく事もある。
すれ違いや誤解も、避けられない。
でも、真実の関係とは、「ちゃんと謝れる」「気持ちを伝えられる」「一緒に立ち直れる」関係。
➡️Guardianでは「リペア(修復)」を支援の一部に含める。
言い合いをしても、その後に「本音で話す」経験が信頼を生む。
「正しさ」より「思いやり」
「正しい事」だけを主張しても、人はついてこない。
真実のファミリーとは、「自分の正義を押しつけず、相手の痛みに寄り添える」関係。
➡️ Guardian式の仲間づくりは、「相手の立場に立つ力」を育てる事から始める。
選び合う関係性を大事にする
無理に仲良くする必要はない。
だけど、自分を偽らずにいられる相手、信頼し合える相手とは「お互いに選び合っている」感覚がある。
➡️Guardianファミリーとは、「選ばれた仲間」。
誰かに必要とされ、誰かを必要とする。そんな関係は、人を再生させる力になる。
では、どう醸成していけば良いの?
アプローチ例:
| ステップ | アプローチ | 内容 |
|---|---|---|
| ① | 共感トレーニング | 日常の中で「相手の気持ちを言葉にしてみる」習慣づけ |
| ② | 物語共有ワーク | 自分の人生の一場面を語り合い、聴き合う場を作る |
| ③ | リペア・リハーサル | ケンカやすれ違いの場面を“練習”してみる |
| ④ | 安心基地の設置 | 心が折れた時に戻れる場所・人を明確にしておく |
| ⑤ | 共同プロジェクト | 一緒に何かを創る(物語づくり、プロジェクト、学び合いなど)ことで仲間意識を育む |
「真実の関係」は、「自然発生」ではなく「育む」もの。
仲間は、偶然できるものじゃない。
相互に「信頼」を育てようとする意志があって、はじめて芽を出し育っていく。
そして ――「あなたとだから、できた事がある」。
その体験こそが、「真実」の証なんだと思う。
なぜ「表と裏」の顔が生まれるのか?
それは ―― 人間が「安心して生き延びたい」という本能と、周囲環境が生み出す「空気感」や「構造(風潮)」との間に、深い捻れがあるからです。
この「捻れ(ねじれ)」が、「仲間のフリをして傷つけ合う」現象を生み出してしまいます。
1️⃣群集心理:集団になると、人は「自分」を見失いやすくなる
人が集団の中に入ると、自分の意志や価値観よりも、「みんながどうしてるか」が強く働きます。
ギュスターヴ・ル・ボン『群集心理』(1895)
群衆は理性よりも感情で動き、個人の判断力を失わせる。
ジンバルドのスタンフォード監獄実験(1971)
役割と集団空間だけで、人は「加害者」にも「被害者」にもなりうる。
つまり:
「みんなが笑ってるから笑う」「みんなが無視してるから無視する」という心理が働き、自分の本心を抑えて「合わせる」ようになる。
それが「表の顔」をつくる第一歩です。
2️⃣日本特有の「空気文化」:違いを許さない社会
日本では「空気を読む」事が重視され、「和を乱すこと」が極端に嫌われます。
ホフステード文化比較(1980〜)
日本は「集団主義」「不確実性の回避」が極めて高い国。→「異質」な行動や本音の表現は、排除の対象になりやすい。
文化人類学者エドワード・ホールの指摘
日本は「ハイコンテクスト文化」=言葉より「察し」が求められる社会。
つまり:
本音で接する事 = リスクになる社会では、「建前での仲間関係」が優先され、ネガティブな感情が醸成されやすい空気感にある。
3️⃣脳の構造と進化心理:仲間から外れるのは「痛い」
人間は、排除されることに身体的な痛みと同じ反応を示します。
アイゼンバーガーら(2003)
「仲間外れ」は、脳の「前帯状皮質(痛み中枢)」を活性化する。
進化心理学の視点― 古代、人間が群れから外れる事は死を意味した。→今も「所属できない恐怖」は、強烈なストレスになる。
だからこそ:
表では「一緒にいる」ように見せ、裏では自分が少しでも優位に立てるように、陰口や批判的言動・マウントなどが無意識に出てしまう。
4️⃣評価社会とストレスの構造:心が「競争モード」になる
現代の学校や職場などは、「従順」「成果」「空気感」が評価基準。
人間関係も「うまく立ち回れるか」が生き残る鍵になっている。
デシとライアンの自己決定理論(1985)
人は「自律性」「有能感」「関係性」が満たされると健全に動くが、劣悪な環境や評価など外的プレッシャーが強いと、攻撃性や操作性が高まる。
エドモンドソン(心理的安全性の研究)
間違いや弱さをさらけ出せるチームこそ、本当の力を出せる。
これらが続くと、「仲間」を「競争相手(酷い環境では敵視)」として見てしまい、疑心などから心の距離が表と裏に分裂する。
表と裏の正体は、「周囲環境」への適応反応
| 要因 | 働き |
|---|---|
| 群集心理 | 「自分で考える力」が弱まる/同調圧力など |
| 空気文化 | 本音を言えない圧力が高まる |
| 脳と進化 | 排除への恐れが“表と裏の顔”をつくる |
| 劣悪環境 | 仲間を「ライバルや敵(てき)」として見てしまう |
Guardianの思想は、「裏」を生まない空気感
「Guardian」は、「安心して本音を出せる」心理的安全基地であり、「弱さも出せる仲間関係」の構築を大切な概念としていきます。
つまり、「表と裏の分裂」を終わらせる場所―
それこそが、Guardianである事にとても価値があると信じ、その真実の仲間をガーディアンファミリーとして醸成していきます。

